「祝婚歌」は山形県の詩人「吉野弘」さんが書かれた詩です。その詩に、以前じろりんが曲を付け、姪の歩ちゃんの披露宴で発表しました。
先日、姫路市の黒田官兵衛・大河ドラマ館「ふれあいステージ」でのリハーサル中に初対面の方から「じろりんさんですか?今日は祝婚歌は歌われないのですか?」と突然声をかけられ、驚きました。何でも、息子さんの結婚式が週末にあり「覚えて歌いたい。」と思って来られたようですが、その日は歌う予定がありませんでした。
インターネットのYouTubeで流しているだけなのに、聴きに来て下さるとは本当に有難いことです。
聞けば、わざわざ明石から録音機を持って来て下さっていたようですが、譜面もないので楽屋で録音することも出来ません。寒い中、遠い所から来て下さって申し訳なく思い、「録音して送りますよ。」と言うと、大変恐縮されていましたが、住所を教えて頂いたのです。「じろりんCD・Ⅳ」の中に結婚式バージョンとして一曲付け加えて送らせて頂きました。後日、丁寧なお礼のハガキが届きました。
その「祝婚歌」の詩です。
「二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい 立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと 気付いているほうがいい
完璧をめざなないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい
立派でありたいとか 正しくありたいとかいう 無理な緊張には 色目を使わず
ゆったりゆたかに 光を浴びているほうがいい 健康で風にふかれながら
生きているなつかしさに ふと胸が熱くなる そんな日があってもいい
そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても 二人にはわかるのであってほしい」
そういえば、その頃この「祝婚歌」の再生回数が極端に多くなり、「いよいよヒット寸前かな・・」なんて思っていました。一日に4000回も再生された日があり、不思議に思っていましたら、作詞の「吉野弘」さんが1月に亡くなられておられ、「祝婚歌」も話題になり検索数が増え、大勢聴きに来て下さっていたことが後で判明したのでありました。