こどもおぢばがえり・バラエティの巻(某・機関紙原稿です)
1980年~1999年まで『こどもおぢばがえり・バラエティショー』に出演しました。第一回目は東京からのゲスト出演でしたが、姫路へ戻った二回目からは、構成・演出も担当するようになりました。その時、若干28歳でした。
よくぞ、こんな若造に舞台を任せて下さったものだと思う。この間、吉本の若手に出演して貰った事もあるが原則、出演者も裏方も素人ばかりでした。
本番は7月26日が初日。4月頃から本格的に台本作りに入り、完璧に構成を整えて7月20日から合宿に入って短時間で仕上げるのだが、素人の大学生に一から演技を教え、作って行くので、いつも本番直前には時間が足りなくなり、精神的パニック状態が頂点に達する。
いつも頭の中では新しい事、斬新な事を目指していたがマンネリだと言われて心が折れそうになる。こんな大きな舞台を引き受けたことを悔やんで、川に飛び込もうか、舞台が火事にでもならないかと思ったことも度々あります。
行き詰って最終的に神殿へ行き、手を合わせていると天から声が聞こえてくる。「何を難しい事を考えているのや、帰ってきた子供たちが喜んでくれたら、それでいいのやで~!」と・・・。その声で一気に気持ちが楽になり、すべて解決する。「そうだ、そうだ・・・」と思い返しステージへ戻ると、悩んでいたのが、まるで嘘のように自信を持って舞台リハーサルに臨み一気に仕上がる。そして初日を迎えると、入場して来る元気な子供たちの声が聞こえる。そして、ステージへ飛び出すと大きな笑いと歓声が起きる。いつも子供たちの笑顔で救われて来た。
何故か毎年、同じ事を繰り返していたように思う。そして感激のうちに千秋楽を迎えた時、「よし、来年もやるぞ!」と思う。この繰り返しで20年が経ったのです。
こんな夢のようなステージに携わった経験と、多くの人たちとの出会いは、自分にとっての貴重な財産になったのです。