訃報・映画監督・沢島忠さんの巻
東映時代劇や人生劇場シリーズなどを手掛けた映画監督で舞台演出家としても知られた沢島忠さんが平成３０年１月２７日に９２歳で亡くなられました。
沢島忠さんは昭和４８年７月に、じろりんが東京で初めて踏んだ舞台【新宿コマ劇場 美空ひばり特別公演『あづま女に京男』出演者・美空ひばり、香山武彦、黒川弥太郎、江原真二郎、水谷良重・他】の作・演出をされていました。
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本当にそうそうたる出演者でした。見るもの聞くもの、触るもの全てが初めてで、兎に角一から教えて頂きながら必死で舞台に立ちました。
当時、北上野の三畳間を間借りしていたのですが、そこから新宿まで通っていました。ある日、財布の中味が新宿までの切符代に足りない事がありました。そこで貯金通帳と印鑑を持って途中の銀行で残金の全てを下ろしたのですが、その通帳の残金はなんと六十円だったのです。
ちょっと恥ずかしかったのですが背に腹は代えられません。おかげで何とかギリギリ新宿までの切符を買うことが出来ました。そして知り合いからお金を借りて暫くの間、しのいだ事を思い出しました。
当時の日記を見ると出演料は一か月・六万四千円で、中日に半分の三万二千円を現金で貰っていました。（一回の出演料が二千円で三十二回公演だったのでしょうか・・・）
そして新宿コマ劇場の屋上で先輩の役者さんから立ち回りやお芝居を教えて貰った事も懐かしい思い出です。
沢島忠さんも美空ひばりさんも雲の上の人でしたので、直接かかわる事はなかったのですが、台本に作・演出 沢島忠と書いてあった事だけを、はっきり覚えています。
新宿コマ劇場は解体され、縁のあった方々も次々と亡くなられ寂しい限りです。
（写真はこの公演でご一緒した、菊池剣友会と大部屋俳優の皆さんです。今では声優の大御所になっておられる千葉繁さん。もう引退されましたが東京で一世風靡したコント・チャーリーカンパニーの日高のぼるさんもおられます。撮影場所は新宿コマ劇場・屋上です。）