今、伝説の双子フォークデュオ「サスケ」の弟・タカさんが「日大板橋病院」に入院している。東京に行く用事があったので、7月1日に見舞いに行くことを早くから約束していた。
サスケとの共通の友人でテレビ・舞台で活躍中の役者・井之上隆志君からも前々から一緒に連れて行って欲しいと頼まれていたので二人で行く事にした。
前夜、兄のカツさんから電話があった「何時頃に来てくれるの?」と・・・とても落ち込んだ声が病状のよくない事を感じさせる。面会時間は決められているが、早めに井之上君と待ち合わせをして病院へ向かう事にした。
病棟のエレベーターで8階に出ると廊下でカツさんが待っていた。カツさんから病状を詳しく聞いてから病室へ向かうと、親しいファンの方が身内のように世話をして下さっていた。
強い痛み止めの点滴の為、普通の会話は出来ないが、じろりんが来たことは分かったようだ。無理に起き上がろうとするので手を添えた。全身に痛みがあるようで、かける言葉が何も出てこない。手をさするくらいしか気持ちを伝える事が出来なかった。
「神さんにお願いさせて貰うね。」と、全パワーを手のひらに込めて、(おさずけという手当て)を全身に取り次いだ。タカさんは手の温もりに縋りつくように身をまかせてくれた。少しでも痛みは和らいでくれたのだろうか・・・?・・・というよりも私自身の心の痛みが和らいだように思った。きっと何か神の守護があるはずだ。
ベッドのタカさんが何か言っている。その口元に耳を当てて兄のカツさんが聞く、「みんなには聞こえないけれど俺には分かるんだ。タカの思いがズシッ、ズシッ、と胸に収まって来る。」と言う。双子の兄弟だからなのだろうか。そしてカツさんが言うには「じろりんは、間違いなくサスケだよ!」と言ってくれた。その後、カツさんと院内の食堂でお茶を飲んで別れた。
ずっと病室で同室してくれていた井之上君の目におさずけは、親が子供を愛しむようであり、子供が親に甘えているように映ったと、一杯飲みながら感激して話してくれた。