俳優『井之上隆志』その1
平成16年の春、私の留守中に「電話があったよ。」と娘が伝言してくれた。
「東京でジローさんに大変お世話になった井之上です。今日、明日と姫路で演劇の公演がありますので、是非見に来て欲しいのですが・・・」とのこと。
インターネットで必死に私の教会を探して、あちこち聞きまわって電話番号がわかったらしい・・・。
俳優の『井之上隆志』君だった。(東京にいた時、私の後をいつも金魚のフンみたいに付いて来ていた。私も何故か彼を放っておけなくて、あちこちいつも連れまわしていた)
次の日、私もちょうど時間があったので、市民会館へ見に行くことにした。加藤健一事務所の『すべて世は事も無し』という芝居だった。客席は超満員で、彼は女優の『山口果林』さんと夫婦役でインテリの老人役を好演していた。
久しぶりに演劇を見て、私は感激してガラにもなく涙が出てきた。『井之上』君は、明日が移動日で今夜は時間があるという事なので、我が教会へ来て頂いて、一緒に食事をした。
二十数年ぶりの再会で、今では彼の方がはるかに私の芸歴を超えてしまっている。話すうちに、昔のなつかしい出来事が次々と思い出され、二十数年前にタイムスリップをしてしまったかのように芝居談議に花が咲いた。
彼は東京でもっともチケットが取りにくいと言われていた(今は解散している)『劇団カクスコ』に所属していた。劇団の最終公演では会場に入りきれないファンの人の為に別の会場でモニター中継をしたそうである。
テレビ、映画にもちょくちょく出ているようで、スピルバーグ監督の映画では香港で十日間程毎日ギャラとは別に小遣いをもらいながら一流ホテルに泊まって撮影したそうです。
私が最近作った『じろりんCD』と『じろりん日記』の話題になり、是非読みたいと言うので日記の記事を読んでもらった。「へぇ~」と感心していた。
その後、ギターを取り出して夜遅くまで歌を唄ったり、これからの事を語り合ったり楽しいひとときを過ごした。