中島みゆきの巻
最近、「中島みゆき」にハマっている。新しく曲を練習する度に、その詞とメロディに衝撃を受ける。どうやら彼女は詩と曲が天から降ってくるらしい。
小林アトムとコンビを組んでいた頃、1976年4月18日「第52回天理教青年会総会 前夜祭」で同じステージに出演した。
ヤマハポプコンで優勝した直後で、メディア的には、まだそんなに有名でもなかったので、単なるフォークの新人歌手だと思っていた。この時、「アザミ嬢のララバイ」や「時代」などの楽曲と共に女子青年のテーマ曲「町へ帰れば」が初披露された。
ミーハーでアイドル目線のじろりんには、そんなに強い印象はなかったが、客席は盛り上がって、何曲ものアンコールに応えていた。つくづく、じろりんには「先見の明」の無いことに気付く。
評論家の呉智英が「バカにつける薬」という本の中で「中島みゆきは中山みきである」という文章を書いている。「時代に屹立(きつりつ)した精神があり、みずからの主張を全面に打ち出すのではなく、他者の存在をすべて引き受け、彼らにかわって歌うという姿勢がある」と言っている。
さだまさしは、中島の感受性や表現力を「異質」と称え、「到底戦えない」とまで言う。
「女性としての視点、ものの捉え方、考え方は、男が生半可に想像して書けるものではない」と表現した。中でも嫉妬した2曲は「時代」と「悪女」。自分じゃ到底書けない世界観で「中島みゆきならではの別の宇宙を見る思いです」とうなった。
「俺には到底、中島みゆきのような歌は作れない」と言う吉田拓郎に、直接依頼されて作った「永遠の嘘をついてくれ」という楽曲もある。
福山雅治は、糸井重里との対談で「中島みゆきが凄いのは、ある時期に突然才能が開花した人ではなく、最初からこの高いレベルで表現している。それが驚異的であるにもかかわらず、さらにそれをずっとキープし、なおかつ昇華している」と言う。
お笑い芸人の鳥居みゆきによれば中島みゆきの歌詞は神様目線で書かれ、特に「時代」は「サビからは完全に神様目線になる」と言った。
また、脳科学者の茂木健一郎氏は「宇宙から自分(世界)を見ている」それを「メタ認知」と言うらしい。また「菩薩様に見えてくる」とも言っている。
最後に中島みゆきが高校生の時に書いた寄せ書きの言葉を紹介します。
「この世で一番醜いのは人の心、そして、この世で一番美しいのも人の心です」
高校生でこんなこと書くなんて、やっぱり普通の人間じゃないのかも・・・。