サスケと夢の東京ライブの巻
東京・吉祥寺にサスケも、なぎら健壱さんもよく出演している「マンダラⅡ」という老舗のライブハウスがある。
サスケのカツさんは、弟のタカさんが亡くなってからも色んな人にサポートされながら、サスケの歌を唄い続けている。
10月のある日、「じろりん、今度のライブにゲストで出演してくれる?」とオファーがあった。伝説のライブハウスに出演出来るのだ。もちろん「OK!」と返事をした。「マンダラⅡ」の出演案内には、「11月17日サスケライブ。ゲスト・じろりんflom 姫路城」と書いてあった。「俺は姫路城に住んでいるのか!」と小さな声でツッコミを入れた。
11月16日の夜、夜行バスで東京へ旅立った。サウナでの仮眠後、サスケと待ち合わせをして会場へ向かった。ピアノ、ギター、パーカッション、バイオリン、ブルースハープと次々とサポートのミュージシャン達がやって来てリハーサルが始まった。スタッフが照明をセッティングしている中、テキパキとリハーサルが進行して行く。舞台をやっていた頃を思い出す。
ライブが始まると、お客さんは初めからノリノリで進んでいく。一部のラストに、じろりんをゲストとして招き入れてくれた。お客さんも出演者も暖かい。じろりんがトークを始めると、一人の酔っ払いが、大声を出して絡んでくる。サスケのカツちゃんが頭にきて、外に出すよう、店の人に指示をした。後で聞くと、サスケファンの映画監督。以前、サスケを撮った監督だ。いい人だが酒が入ると人が変わるので店の人もマークしていたようだ。「俺のゲストの邪魔をする奴は許せない。」とカツちゃんが打ち上げで言っていた。
じろりんが三曲歌って第一部が終了した。舞台から降りると耳の肥えたお客さんとの距離が急激に縮まったように感じた。第二部終了後のアンコールには舞台に呼ばれて一緒に歌った。
次の日、ライブに来られていた税理士の先生の事務所にお邪魔してコーヒーをご馳走になり話していると先生が、じろりんのCDが欲しいと言われるのです。持ち合わせが無かったので、「後日送ります。」と言ったら、「じゃあ、これで。」と言って一万円札を渡された。「そんなに値打ちのあるものではありません。」とお返ししたのですが、押し戻され、断りきれずに有り難く頂戴した。サスケからもギャラを頂き、至れり尽くせりの東京ライブになったのです。